職人日記
1急須制作 16
後は木型を包み込むように絞り込むのですが、
ここまで来ると木型から外せないので、
地金が締まって硬くなる前に押さえ込みます。
後は木型を包み込むように絞り込むのですが、
ここまで来ると木型から外せないので、
地金が締まって硬くなる前に押さえ込みます。
木型は最終工程で初めて目指す形状に削られました。
直径、高さ、口径、底径、は寸法の指定がありますが、
全体のアールやバランスは職人のセンスによるもので、
なおかつこの工程の後は修正しにくくなるため、
この時点でよくよく形状を吟味しておかなくてはなりません。
外径と高さが決まって、少し急須の形が見えてきました。
へら絞りはこの後いよいよ最終工程に入っていきます。
そろそろ仕上がりの寸法を意識しながらの絞りです。
外径が決まり高さの見当をつけ仕上げに向かう大事な工程です。
反対から見るとこんな感じです。
2回目の絞りの様子。
一回目よりも立ち上がって立体的になってくる。
木型が回転していますから手製のバイトを押し当てると、
かんなくずの様に薄く剥けていくような感じです。
また木型を少し削り、同じ工程を繰り返します。
へら絞りの仕事は実際にヘラで絞っている時間よりも、
木型を削っている時間のほうが遥かに長いんですよ。
一度へら絞りの工程を行うと金属疲労により地金が硬くなります(この状態を地金が締まると言います)
そこでガスバーナーであぶって地金を柔らかく(焼き鈍し)しますが、
この時あぶりすぎると地金が荒れてしまい仕上げの段階で綺麗な面になりませんので、
炎のコントロールが重要です。
ここまでで一回の工程が終了です。
地金が少し立ち上がっているのが判ると思います。